メディアサロンBlog

創造発見塾を運営する川内メディアサロン実行委員会の東北大生が受講生の皆さんにお役立ち情報をお届けします!

研究の難しさと、楽しさ

新入生のみなさん、こんにちは! 理学部4年の藤田稜介です。

 

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もう1か月足らずでいよいよ大学入学ですが、準備は順調に進んでいるでしょうか?

授業や新生活のことでいろいろ考えている最中だと思います。

 

今回のテーマは、ずばり「研究」です。

 

「まだ入学もしていないのに・・・」と思っているかもですが、大学で行われている教育は研究を行うための基礎的な素養を身につけるものだと言えます。

 

また、大学の卒業の際には「卒業研究」を行わなくてはなりません(一部の学部・学科を除く)。

 

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(僕が実際に書いた論文です。全部で50ページくらい書きました…)

 

つまり、ゆくゆくは研究を行うことを前提として、大学での勉強に臨むことが大切です!

 

では、研究とはどのようなものなのでしょうか?

今回は僕が実際に行った卒業研究の例とともにお話していきます。

 

 

研究は何のためにするの?

 

どんな学問分野にも、まだわかっていないことや課題が残されていることがあり、これらを解消することを目指すのが「研究」です。

論文を読んで、自分の研究の背景知識・わからないことを探ります。

純粋にある学問の中での疑問・課題を解決するものもあれば、新しい技術を開発するものなど、研究それぞれの目的は様々です。

 

 

僕の研究では、ざっくり言うと「沖縄県に発生した過去の津波を明らかにする」ことが目的でした。

理学系には多い、純粋に「わかっていないことを明らかにする」研究です。

 

研究に求められる「論理」

 

「なぜこのことがわかっていないのか?」

「この手法で分析を行うとどんな結果が得られるのか?」

「このグラフは何を意味し、ここから何がわかるのか?」

 

背景知識を調べているときや、研究を進めているとき、様々な問いが生まれてきます。

 

この問いを解決する際に、論理的に考える必要があるのは言うまでもないですが、中でも大切なのは「事実と解釈を混同してはいけない」ということです。

 

例えば、下の表のようなデータが得られたとしましょう。

 

A

2%

B

3.5%

C

6%

D

9%

 

このデータからいえる「事実」は何でしょうか?

 

 

「Aは2%で、Bは3.5%、Cは6%、Dは9.5%。4つの中ではAが最も低く、B、C、Dの順に数値が高くなっている。」

これが「事実」です。

 

 

「Aは数値が2%とかなり低く、対してDは9%と高めである。」

こうなってしまうと「解釈」が含まれています。

 

つまり、誰がどう見ても同じであるものが「事実」、人や見方によって変わりうるもの(後者で「かなり低い」「高め」という部分)が「解釈」です。

 

事実と解釈が混同した状態では、結果を正しく扱えずに議論がままならないことがあります。

 

僕は、自分で一生懸命作成したグラフやデータ集から何がわかるのかを考えるあまり、自分で考えたことを「事実」と勘違いしてしまい、どこまでが自分で考えたことなのかわからなくなってしまうこともありました…。

 

まずは事実を整理し、すべて整ったところで解釈するのが混同しないための方法です。

 

また、研究成果として論文を書くこともあります。論文を書く際にも、論理的な文章構成を心掛け、読みやすい文章を作成する必要があります。

 

研究には、論理の力が強く求められるということがわかっていただけたでしょうか?

 

 

 

研究はつらいだけじゃないよ

 

高校までに、学術研究に携わった人は少ないと思います。

「大変そう」「自分にはできるかどうか不安」なんて声も多いです。

 

しかし、研究は自分の興味・関心のある分野に好きなだけ触れることができる唯一の機会といっても過言ではないでしょう。

 

また、確かに論文を書いたり作業量が多かったりで大変なこともありますが、「研究楽しい!」と思える機会もあります。

 

僕は卒論のためのフィールド調査で、沖縄県内の無人島に行きました。

 

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無人島といっても、宿泊するための施設はある「人が住んでいない島」でした)

冒頭の写真も、その時にとったものです(笑)

自然豊かなところで、まるで時が止まっているかのような感覚に襲われました!

 

 

研究は、部屋にこもって文献を読んだり作業をしたりするだけではありません。

外に出て調査を行ったり、ほかの大学の人と合同で行ったりなど、今までにない経験を積めるのもまた研究の魅力です。

 

 

皆さんが研究するときに、「研究は難しいけれど、楽しいこともある」と感じていただければ幸いです!

 

 

 

実行委員4年目 藤田稜介