留学!のその前に。
みなさん、こんにちは!
今回のメディアサロン ブログを担当します、文学部1年の松谷凌雅(まつや りょうが)です。
本題の前に少し学部の話を。
僕の所属している文学部は、そろそろ公表される専修配属が今一番ホットな話題です。25ある専修の中でも文化人類学や宗教学、心理学、社会学、国文学は人気の専修で、ほぼ毎年定員オーバーなので入りたい人は良い成績をとっておかないと後悔します、本当に(汗)
さて、自分に関わる話はこれくらいにして…。
今回のテーマは「留学」です。
興味のある方もかなりいらっしゃると思います。
僕自身、大学のプログラムを利用して約1カ月の海外体験をしてきました。
ですが、成功したとは思っていません(詳しいことは後程)。
僕の反省を皆さんが留学する際に生かしてもらえるように、今回は1つの質問から本題を始めたいと思います。
Why do you want to study abroad?
「君はこれから何がしたいの?」
何ができるかではありません、何がしたいかです。
そしてこの質問に対して今の皆さんはどのくらい具体的に答えられるでしょうか。学問、社会貢献、就職活動、分野は問いません。この答えが明確であればあるほどこれからの4年間で有意義な経験を積める可能性が高くなります。そして自分の興味関心の先が留学と結びつくならどんどん留学してください。
ですが、特に理由も興味もあるわけではないのに「とりあえず海外に行ってみよう」という意気込みでプログラムに参加しても得られるものは非常に少ないです。
また、学年が上がると就職への不安からか留学を考える人が出てきますが、同じことを考える大学生は山ほどいます。ただ海外に行ってきたという事実は武器にはなりません。
留学に皆さんなりの付加価値をつけられなければ武器として使えない、と思ってください。
The programs provided by Tohoku University
それでは、初めに各プログラムを見ていきましょう。
東北大学が提供しているプログラムは複数ありますが、
知名度の高いものとして
①海外研修(スタディアブロードプログラム/SAP)
②海外体験プログラム
③交換留学
の3つが挙げられます。
ではそれぞれのプログラムを簡単に紹介して行きます。
①海外研修(スタディアブロードプログラム/SAP)
かなり知名度の高いプログラムです。海外入門者向けプログラムなので高度なことは要求されません。夏と春の2度募集がありますが、申込者数は春SAPの方が多くなる傾向があるので特別な理由がないのであれば1年の夏のうちに行ってしまいましょう。
詳しく知りたい方はこちらをチェックしてください↓
②海外体験プログラム
これはファカルティレッドプログラム(FL)が有名です。ですが僕は参加したことがないので手短に。
FLにはプログラム担当教員が同行し、プログラムを引率します。プログラムの長さもSAPと比較すると短めです。
詳しい内容はリンクから確認してください。
http://www.insc.tohoku.ac.jp/japanese/application/17524/
また、今年から「海外は初めて!」という新入生の皆さん向けに、大学生協でオーストラリアのメルボルンで海外体験ができるプログラムもあるので、もし興味があれば説明会に参加してみてください(詳細は新生活サポートセンターで)。
③交換留学
読んで字のごとく本格的な留学です。
交換留学では大学ごとに条件が設定されています。詳しい条件を知りたい方は東北大学のHPで確認してください。
語学力は一朝一夕で身につくものではないので、交換留学を考えている人は早めに試験対策に取り組みましょう。また、交換留学の申し込みは留学開始の一年前から始まります。加えて経済的な負担を少しでも減らすために奨学金の申請もしなければいけません。この提出書類がかなり面倒です。それぞれの申請開始時期を把握しておかないと気づいたときには選択肢がほとんど残っていない...なんてことも。
交換留学は準備から大変なので行きたいなら先輩に話を聞いたり東北大学が開く説明会に積極的に参加したりして情報をたくさん集めることを心がけましょう。
※TOEFL、IELTSって?
TOEFLは非英語圏出身者を対象としたテストです。
内容については以下のリンクを覗いてみてください
基本的にはiBTのスコアが公式でITPのスコアは非公式です。難易度はiBT>ITPですが、結論としてはどちらも難しいです。12月に1年生全員がITPを受験(工学部は4月にも受験)しますが大抵の人はリスニングで絶望します。生協でもTOFEL ITP 対策用の教材をお勧めしているので、時間に余裕がある今のうちに対策を進めておきましょう。
基本的に受験は有料ですが7月に無料でITPを受けられる学内試験があるのでそこで練習しておくと良いと思います。
IELTSも志向しているものはTOEFLとほとんど変わりません。TOEFLと比較すると難易度はIELTS の方が若干低いです(まあ難しいことに変わりはないんですけど)。また、IELTSは若干イギリス英語に寄っています。TOEFLの方が利用できる教育機関が多いためイギリスに留学するのでなければTOEFL iBTのスコアを取っていた方が何かと便利でしょう。
About My Experience
ここからは、オーストラリア(シドニー)の夏SAPに参加した僕の体験談を紹介したいと思います。オーストラリアSAPは滞在期間が5週間とプログラムの中でも最長です。派遣先のニューサウスウェルズ大学にある言語学校で英語の勉強をしつつ、現地の学生と協力してイベントを運営したりしました。
プログラム全体でかかった費用は補助金を抜くと35万円くらいです。オーストラリアプログラムは出費が嵩むので出費を抑えたいなら東南アジアのプログラムがオススメです。
滞在方法はホームステイでしたが家族によって良し悪しが変わるので何とも言えません。ちなみに僕のホームステイファミリーは滞在開始1週目の金曜日に「来週の土曜日までタイで仕事あるから」みたいなことを言ってタイに行ってしまいました(契約上これは禁止行為らしいんですけど^^;)。また滞在3週目くらいにマザーが彼氏と破局してしまい、色々と面倒でした。もちろんこれはレアケースなのでそんなに心配しなくても大丈夫です。
他にも僕はプログラムリーダーを務めていたので、現地の学生との交流の他にも東北大学のプログラムを担当していた言語学校の偉い人とイベントに関してメールで打ち合わせをしたり実際に話し合ったりした他、日本語クラスを担当している先生に頼み込んでイベントのことを授業内で学生に宣伝してもらったりと他の人よりも発展的な体験をできました。興味のある人は、1年生だからと言って遠慮せず積極的にプログラムリーダーを体験してみては?
What is important for studying abroad is …
お待たせしました、この記事のミソです。
冒頭の問いを覚えているでしょうか。
「君はこれから何がしたいの?」
この質問への答えが重要になってくることは言いましたね。
では、なぜやりたいことを明確にしておくことが重要なのでしょう?
少し離れた場所から話を始めます。
「留学」や「海外」と聞くと「語学力」をまず思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。現地でコミュニケーションできなかったら元も子もないですからね、当然です。
では質問!
語学力が十分なら質の高いコミュニケーションができるのでしょうか?
違いますね。
コミュニケーション能力を細かく見ていくと、
「意欲」
「内容」
「語学力」
の3つに分割できます。
語学力を表面的な力とするなら意欲と内容は内面的な豊かさと言えます。
意欲と内容を充実させるためにはそれ相応の経験値を積み、努力の方向性をはっきり見定める必要があります。
そのための基盤になる「自分がやりたいこと」がはっきりしないままだといつまで経っても意欲も内容も充実しません。
受験という大きな目標が消えたからこそ新たな目標を設定する必要があるんです。
そして何度でも言いますが目標は具体的でないと意味がありません。
「何がしたいのか」という部分を曖昧にしたままだと学習の効率が極端に下がってしまいます。留学に行くまでに語学力と並行して、いや、それ以上に力を入れて磨くべきことは意欲や内容といった自分の内面に関わる部分です。
ですがこれを忘れてしまい表面的な語学力に走ってしまう人が多い。
中身のないペラッペラの状態で海外に出ていったとして何が得られるのでしょうか。学ぶことが全くないとは言いません。
でも、明らかに勿体無いです。
僕自身、「英語圏に行って語学力を伸ばす」みたいな曖昧な目標しか持たずにシドニーに乗り込んでしまいました。紛いなりにも1ヶ月は英語圏にいてプログラムリーダーとして動いていたのでTOEFL ITPの点数はかなり伸びましたが、帰国の際に1ヶ月を有効に使えなかったという後悔の念に駆られました。
じゃあどうすれば意欲と内容を涵養できるのか。
そのためにこれからの大学生活でみなさんに意識してほしい問いが3つあります。
それは
“What do you want to do?”
“What do you think?”
“Why?”
の3つです。
これらの質問を自分自身に投げかけ続けることで何ができるようになるのかというと「自分を語る」ことができるようになります。
耳触りの良さから一般論を語ってしまいがちですがそれは求められていることではありません。国内海外問わず社会に出て行った時にみなさんが語らなければいけないことは、ある主題に対して自分は何を考えていてどうアプローチしていくのかということです。
信頼は「自分を語る」ことでしか得られません。「自分を語る」ことができるようになったということは意欲も内容も充実してきたということです。これらの質問に対して自分なりの答えを提示できるようになった時、みなさんはより魅力的な人間になっているはずです。
そして、一回出来上がったからといって満足せず何度でも答えを練り直し、自分だけの答えを追求し続けてください。
At the very end of this article
おそらく受験も終わったばっかりで実感がわかないことが多かったと思います。ですがこれは留学に限らず、なぜ大学に進学してまで勉強しているのかということにも関係します。この記事が少しでも皆さんの人生に良い影響を与えられたなら幸いです。
最後に一つ、英語のことわざを紹介します。
“When the student is ready, the teacher will appear.”
大学生活がどうなるか、全てはみなさんの意識にかかっています。
さあ、もうすぐ大学生活が始まります。大学で学ぶ準備はできていますか?
実行委員1年目 松谷 凌雅