誰も教えてくれない、留学生活のリアル【後編】
実行委員経済学部4年佐藤です。
前回から2回にわたって「留学」についてお話してきましたが、
【後編】となる今回は特にリアルな話ができればと思います。
【前編】はこちらから▼
誰も教えてくれない、留学生活のリアル【前編】 - メディアサロンBlog
自己理解と他者理解
前回のようにハイライトで留学生活を紹介すると、毎日キラキラと充実していたように感じられますが、
実際にはいくつも悔しい思いや情けない思いをしてきました。
グループワークで初め英語にも自分の意見にも自信が持てず、
ほとんど発言しないでいたらメンバーに名前すら覚えてもらえていなかったり、
年齢も経験も社会的地位も上の相手に怖気づいて会話のキャッチボールがうまくいかなかったり、思い出せばきりがありません。
現地で日本人の友人を作ったり、共通の趣味のフィンランド人と仲良くなっていたおかげで精神的に追い詰められるところまではいきませんでしたが、
自分の不得意なこと(英語や友達作り)に向き合い続けないといけないのはつらいものがありました。
他人には基本的に興味がなく、一人で本を読んだり物を作ったりしているのが好きなんだといっても、留学しているからには現地の人と時間を過ごし沢山話すべきだという気持ちが付きまといます。
そういうジレンマの中で出会えてよかったと思うのが、現地の即興演劇チームです。
もともと日本でも演劇を見るのは好きで興味はありましたが、
もともと知り合いである人々に自分の演技を観られる恥ずかしさがあって国内では挑戦したことがありませんでした。
毎週火曜夜の彼らとの稽古の時間は、ともかくさまざまなエクササイズや即興演劇を行うのですが、とても開放的で愉しいものでした。
年齢も国籍もバラバラで、なかには60歳近いおじいちゃんや、5人の子を持つお母さんが居たり、学校の先生や留学生、会社員など様々な背景を持つ人々が集まっていました。
あまりにも似通っていない人々と、同じセリフ、同じ動きをしてみるととても面白いことが起こります。彼らが自分について話す以上に、その人の個性やものの見方が演技に現れるのです。
自分自身も他者も知らない自分が解放されるような瞬間でした。
異なる人間同士が分かりあうことなど不可能に等しいかもしれませんが、
この経験によって、私は互いの違いをポジティブに面白がることが出来るようになりました。
また、違いを良し悪しで判断せずに純粋に違いとして認め合うことが他者理解の一歩になりうると感じました。
目標の無い維持継続を目的とする人間関係が苦手、演劇は好き、外国人相手ならオープンになれそう、などという自己認識から一歩を踏み出し、
他者との関係の中で自己理解他者理解を深めることが出来たのはこの留学の一つの大きな収穫でした。
まとめ
私はかなり遅い段階で留学しましたが、ある意味専門分野が決まっていて、
留学中にしたいこともはっきりしていたというメリットもありました。
けれども今読んでいる皆さんは大学で最終的に何を研究するのかも、どこに比重を置くのかもわからない状態で、
留学の決断も簡単ではないのかなと思います。
しかしながら、即物的な価値で言ってしまえば、
留学経験も英語力も就職活動には(無いよりは)有利だし、
長期的に見てもそこで得た人間関係や学びは一生ものだと思います。
大学に入って似たような人々と心地いい時間を過ごすもよし、
海外に出てわけわからんことをしながら自分が本当にどうしたいのか見極めるもよし、
どうぞ親を泣かせない程度に勝手にしてください。
幸多き大学生活を!
▲忘れられないフィンランドの美しい夕暮れ
最後まで読んでくれた親愛なるあなたに、追伸です。
受験英語が少しでも頭に残っているうちに、
なるべく早くにTOEFLを受験しましょう。
もちろん対策も多少はしてね。
例年通りであれば4月申し込み、5月受験が直近です。
(これは後でちゃんと窓口に正しい日程を確認してね)
うまくいけば1年の夏休みに一か月の短期留学、あるいは1年生の9月から一年間交換留学、なんてアクロバティックスケジュールが実現できるかも。。。
サークルとかバイトとかも気になるでしょうが、
一つの選択肢として迷ったらまずは動き出してみてくださいね!
実行委員4年 佐藤 好